よしっ!   January , 2014 


 2路線が乗り入れている東京メトロの駅で同じホームの向かい側に入ってくる別の路線の電車に乗ろうと、ワンマン運転の電車を降りました。目の前で最後尾の車両が停止しドアが開くと、「よしっ!よしっ!間違いなし!」と、元気な声が聞こえてきました。男性車掌が指差し確認をしながら、その都度声に出しています。
 ドアが閉まり、「発車!ご注意くださ〜い」という声と共に、電車はゆっくりとスタートしました。先程とは違うソフトな声の車内アナウンスを聞きながら、「緊急事態が発生した時には誠心誠意対処して、この車掌は乗客を守ってくれそうだな〜」と、心が穏やかになるのを感じました。
 “安全。安心。メトロの目”ポスターの“車掌篇”には、 「確認、確認、確認、そして確認。この指先に、何千人もの安全が託されている。」とあります。使命感を持って仕事をしている姿勢が、「よしっ!」という力強い声によってより一層伝わり私に安心感を与えてくれました。

 都会の鉄道網は延び続け、車掌のいないワンマン運転の路線も増えています。線路への転落防止となるホームドアが設置されているとは言うもののホームには駅員よりも警備会社の人がいることが多いし、通過していく電車最後部の乗務員室に人影はないし、その場に居合わせると複雑な気持ちになります。
 聞くところによると運転士は車掌の役割も果たし、運転席からホームを監視できるモニターを見てドアの開閉や乗車促進(発車予告)メロディのボタン操作をしているとのこと。二人分の重責を担っている職務に、頭が下がります。発車の時や非常時以外はATO(自動列車運転装置)が自動的に運転してくれるそうですが、安全神話を鵜呑みにせず乗客の安全と安心のために全社員が取り組んでいると信じたいものです。

 先日二両編成の路面電車に乗り運転席近くにいると、「よし!よし!出発進行!」という男性運転士の張りのある声が響き渡りました。「元気を貰えるな〜」と思っていると、女性車掌の柔らかい車内アナウンスも流れてきました。生の声を聞くことによって、「前後から守って貰っているんだ〜」と、安心できました。
 某タクシー会社の乗務員は、「(会社名)の○○と申します。安全運転に努めますので宜しくお願いします」と挨拶してから、車をスタートさせます。プロのドライバーだったら安全運転を常日頃心掛けているのは当たり前ですが、言葉にして伝えてくれると乗客の安心感は倍増します。
 以心伝心で伝わることもあるけれども、声に出すことの大切さに気付かされました。

 以前は目視だけで火の元・戸締り・エアコンの確認をしてから外出していましたが、最近は小さい声で指差し確認する習慣が身に付いてきました。大事な仕事に臨む時やちょっと苦手な場所に行く時は、玄関先で「よしっ!」と気合を入れてドアを開け一歩を踏み出しています。自分を褒める時やなだめる時にも、「よし、よし」という言葉が現われてきて、エネルギー源や安定剤になっています。
 音楽・運動・映像・ニュース・会話・趣味等、元気を貰えるものはいっぱいあるけれども、自分自身に前向きな言葉を発することも大切です。いつでもどこでも出来る、おまじないです。

                                  


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