トラのもん    September , 2014 


 かなり昔から、月に何回か東京メトロ日比谷線・神谷町駅近くに行っています。路地の先に見え始めた建物が高くなっていく過程を目にしたり真っ直ぐに延びる桜田通りを銀座線・虎ノ門駅まで歩いてみたりすると、官民一体となった再開発の進み具合がよく分かりました。
 戦後からの都市計画が地元住民の賛同を得られず難航し、完成までに68年かかった通称マッカーサー道路(環状二号線・新橋ー虎ノ門間)が三月末に開通しました。その約二か月半後には環二通りと桜田通りが交差する場所に、建物内に地下トンネルを貫通させた地上52階の“虎ノ門ヒルズ”が開業しました。

 オープンが間近になった日、新聞を開いた私は、「ほお〜っ」と思わず声を上げてしまいました。全面広告の紙面に、どこかで見たようなキャラクターと「ぼく、トラのもん」という文字が躍動していたからです。「ぼく、○○○もん」とあったら、今迄は「ドラえもん」と答える人が大多数を占めていたでしょう。
 “トラのもん”は“ドラえもん”の藤子プロが製作協力したイメージキャラクターのネコ型ビジネスロボットで、22世紀からやってきたそうです。首元に鈴・四次元ポケットも付いていて、白い体には虎のような模様(虎の紋)もあります。絶妙なネーミングに加えて洗練されていながら愛らしく懐かしい姿が瞼に焼き付き、混雑する期間が過ぎたら“トラのもん”に会いに行こうと思いました。

「トラのもん」と「ドラえもん」   モニター映像  
ぼく、トラのもん

 神谷町に行ったついでに、先月“虎ノ門ヒルズ”を短時間訪ねてみました。桜田通り側のエントランスからエスカレーターで二階へ上がると、“トラのもん”と“ドラえもん”の真ん丸な瞳が出迎えてくれました。オーバル広場に面した三層吹き抜けのアトリウムの一画で人だかりがしているので近寄ってみると、映画宣伝も兼ねたゲストの“ドラえもん”と住民の“トラのもん”が仲良く並んでいました。レストランゾーンには目もくれず“トラのもん”を探しに上の階へ行くとタケコプターを付けた姿に出会え、虎ノ門ヒルズフォーラムの階のモニターには“トラのもん”の動く映像も流されていました。
 “トラのもん”と“ドラえもん”の顔をまじまじと見つめる機会を得て感じたのは、「どちらも、おじさん顔なんだ〜」ということでした。熊本県のゆるキャラ“くまモン”の後ろ姿は「おばさんにそっくり〜」だし、私が心ひかれてしまうのにも一理あります。可愛さだけでなく、温かみを覚え親近感を抱くのでしょう。

 環状二号線の虎ノ門ヒルズ〜新橋間の地上道路は新虎通りと呼ばれ、車道の両側には最大幅13メートルの広い歩道・自転車道が整備されています。パリのシャンゼリゼ通りのように、オープンカフェや魅力的な店が並ぶ歩いて楽しい街になるそうです。100年後の未来からやってきた“トラのもん”はビジネスに徹することなく、どこの国の人にもどんな年代・階層の人にも優しい街づくりに貢献してくれるかもしれません。
 「 トラのもん! “ Hello, Mirai Happiness!”だね!」



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